AI開発の裏側 / 試行錯誤

AIの提案どおりに進めかけたら、「それ、なんで書くの?」のひと言で止まった

本番の設定を作る直前、一覧に出た見慣れない言葉が気になって、AIに「なんで書くの?」と聞いた。返ってきたのは、自分の提案が逆効果だったという訂正だった。分からないと言えることの価値の記録。

2026-10-13

自分のサービスの料金プランを、決済の仕組みの本番に登録する日だった。AIが事前の確認をしてくれて、これから作るものの一覧を見せてくれた。

その一覧に、「トライアルなし」という言葉が並んでいた。僕が決めたのは、お試しが付いた料金だけのはずだった。それなのに、わざわざ「なし」と書いてある。意味が分からなかった。

だから、そのまま聞いた。「トライアルなしって、なんでわざわざ書くの? 全部にトライアルが付いてるから、意味が分からないんだけど」。

AIの最初の答えは、筋が通っていた。お試しの形が途中で変わっていて、決済側のトライアルは使わなくなった。だから、作るのは4つだけにして、名前から「トライアルなし」も消しましょう、という提案だった。僕は「了解です」と返した。

ところが、それを実行する前に、AIが自分で調べ直した。そして、さっきの提案を取り消した。

調べて分かったのは、こういうことだった。本番には、月額の分がすでに作ってある。「トライアルなし」という言葉は、お客さんに見える名前ではなく、確認画面に出る内部の呼び名にすぎなかった。名前を変えて実行すると、既存のものと同じ名前でなくなるので、新しい月額が重複して作られていた。親切のつもりの提案が、そのまま実行されていたら、後から消す手間の増える事故になっていた。

僕は仕組みの細かいところが分からない。だから「なんで書くの?」と聞いただけだった。でも、その素朴な質問が、AIの提案の前提を一度立ち止まって見直させた。

AIは、最初の答えを間違えたわけではない。「お試しの形が変わった」という新しい情報にもとづいて、筋の通った答えを出した。ただ、それがすでにある物とどうつながるかまでは、確かめていなかった。確かめる前に、僕が「了解」と言っていたら、そのまま進んでいた。

今回の学びは3つある。

1つ目は、分からない言葉が出たら、遠慮せずに「なんで?」と聞くこと。分かったふりをして進める方が、後で高くつく。

2つ目は、AIの提案は、実行の前にもう一度「すでにある物とぶつからないか」を見てもらうこと。説明が筋道だっているほど、確認が抜けやすい。

3つ目は、本番に触れる作業の前には、必ず確認だけの段階を挟むこと。今回も、その段階があったから、実行前に気づけた。

ちなみに、結果として作ったのは年払いの2つだけで、月額はそのまま使った。派手さのない結末だけれど、何も壊さずに済んだ。それが一番よかったと思っている。

自分の業務でも同じような自動化ができるか、
相談してみませんか。

お問い合わせ